
HOUSE OF GOLD
1950年代までに家族経営のサプライヤーから自社の名を冠する製品を制作するメゾンへと発展を遂げたピアジェは、1957年に9Pピアジェ自社製薄型手巻ムーブメントを開発し、その卓越した技術と革新性によって世界的な名声を獲得しました。ムーブメントの傑作であるこのキャリバー「9P」は、スイスのウォッチメイキングの金字塔となっただけでなく、その後のピアジェに大きな幸運をもたらすことになります。

独自のスタイルを自由に創造できるようになったピアジェは1957年、ジェラルド・ピアジェとヴァランタン・ピアジェの指揮の下、メゾンの製品には貴金属であるゴールドとプラチナしか使わないことを決定します。ハードストーンのカラー文字盤やゴールド製ブレスレットを使ったジュエリーウォッチの制作は手掛ける以前のことです。

1874年、スイスのラ・コート・オ・フェにある一家の農場にムーブメントの工房を構えた創業者のジョルジュ=エドワール・ピアジェにとって、ゴールドがピアジェに大きな名声と魅力をもたらすなど想像もしなかったに違いありません。
1969年のバーゼルウォッチフェアで披露された「21st Century」コレクションは、驚くほどにコンテンポラリーでファッション性の高いゴールド製ジュエリーウォッチのシリーズで構成されました。それは、ウォッチメイキングとハイジュエリーの完全な融合でした。

グラフィカルなゴールドのオープンワークが施されたディープカフ、重厚な質感のゴールド製ブレスレット、鮮やかなカラー文字盤にゴールド製のツイストチェーンが揺れるソートワールなど、ピアジェの理念、そして常に高みを目指し、既成概念を打ち破ろうとする決意が反映された未来的な「21st Century」は、それまでのいかなるコレクションとも一線を画していました。

GOLD EMBEDDED IN THE HEART OF PIAGET
コレクションに輝きをもたらしたのはゴールドでした。ピアジェのゴールドの技巧は、素材が持つ生命力と温かみ、質感とセンシュアリティを引き出し、その華やぎを最大限に高めてみせたのです。ゴールドという貴重な素材の可能性に対するピアジェの探究は、ゴールド製ウォッチを魅惑的なジュエリーの傑作へと変えました。
「21st Century」コレクションの衝撃は大きく、ピアジェは「世界中のエリートのウォッチ」とメディアに謳われました。
ピアジェは鋭い感性により、ゴールドが時代の精神を体現していることを直感的に理解していました。すなわちそれは50年代の社交儀礼の消滅、新たな富裕層や社会秩序の勃興、ユースクエイク、スタジオ54、ヒッピーリュクスといった潮流であり、それに呼応するように綺羅星のようなアーティスト、ミュージシャン、モデル、俳優、ファッションデザイナーがピアジェの顧客となり、ピアジェ ソサエティを形成していきます。
ゴールドは昔も今も変わることなく、メゾンの哲学と精神の中核を成しています。ゴールドはピアジェのビジョンと価値観にとって必要不可欠であるため、鋳造はジュネーブの自社アトリエで行われています。


DECOR PALACE, ヒューマンタッチ
ピアジェの金細工のシグネチャーであるこの装飾は、ギョーシェ彫りをヒントに1961年に誕生しました。
リズミカルに、流れるように施されるDecor Palace(パレス装飾)のエングレービングは、特殊な技術を必要とします。金細工職人が手を動かすたび、ゴールドの小さな断片が表面から繊細に削り取られていきます。ゴールド製ウォッチ、ジュエリー、ハイジュエリーへのDecor Palace(パレス装飾)は、ピアジェの個性を物語るシグネチャーの1つとして多くの人を魅了し続けています。
Métiers d’Or Atelier
ピアジェの芸術と職人技の世界に浸り、特別なブティックワークショップで、私たちのアイコニックな作品の魅力に触れてください。Métiers d’Or Atelier を選択して、あなた自身の創造的な可能性を解き放ち、ピアジェの伝統を探求しながら、いつまでも記憶に残る思い出を作りましょう。
全体的な効果はまとまっていて特徴的だが、金細工師はそれぞれ独自の技法を持っており、圧力をかけたり、角度を変えて作業したりする。


PIAGET, MAGICIAN OF GOLD
ゴールドにおけるピアジェの芸術性と卓越したクラフツマンシップは常に調和し、デザインに職人技を生かすことで、ユニークなピアジェのシグネチャーを生み出してきました。
ピアジェのクリエイションにおいて輝きは繰り返し用いられるテーマです。例えば、「ライムライトガラ」の文字盤を囲むダイヤモンドは太陽のようにきらめき、独自のエングレービングで表面加工された金属には放射状の光が宿ります。
メティエダールのアトリエは、モデリングや彫刻、エングレービング、編み込み、バフ研磨、ブラッシング、ポリッシュ仕上げ、パーツのアーティキュレーション(結合)を手掛け、ゴールドに豊かで洗練された輝き、光、質感、ダイナミズムを作り出します。職人たちは魔術師のようにイメージや連想を羽ばたかせ、ゴールドをシルクへ、斜子織へ、樹皮へと変貌させます。
ゴールドの魅惑的で溶けるような美しさは、長い間芸術家たちを魅了してきました。サルバドール・ダリは、ゴールドと神秘主義や錬金術の関係のほか、特に金貨やメダルの魅力に惹かれていました。1960年代後半には自身と妻ガラの横顔の肖像を彫刻したさまざまな通貨単位と重さのコインを鋳造し、「ダリ・ドール」と名付けます。

1960年代後半、芸術を愛するコミュニティーに加わったイヴ・ピアジェは、ピアジェの新しいクリエイションがコンテンポラリーな芸術作品であることをドラマチックな方法で披露したいと考えました。彼はサルバドール・ダリとの交流をはじめ、芸術界とのつながりを深めていきます。1967年に、ピアジェはダリとのコラボレーションを実現。ダリによるDali d’Or コインを組み込んだゴールド製ウォッチとジュエリーの特別なコレクションを発表しました。
このコレクションは、1950年代に大流行したピアジェ初期のコインウォッチを彷彿とさせるものでしたが、その流行のさなかにはあらゆる国のあらゆる単位の金貨が文字盤の蓋として使われ、その多くにゴールドのブレスレットが取り付けられました。ピアジェの「ダリ・ドール」の発表は、パリのホテル・ムーリスで行われ、まるで宙に浮いているかのように透明な椅子に座ったダリとともに、芝居気たっぷりのファンファーレに載ってコレクションが登場しました。

PIAGET POLO 79 – A GOLDEN MILESTONE
「21st Century」コレクションの発表から10年後、ピアジェは初のスポーツウォッチとなる「ピアジェポロ」を発表し、ゴールドの卓越した技術を知らしめました。
「ピアジェ ポロ」は、ロイヤルスポーツであ るポロのプレーヤーや、イヴ・ピアジェ自身がそうであったように、ポロを観戦する華やかな人々の間で絶大な人気を博します。
円形と四角形の中間のような形状のケースを備えたピアジェポロは、1970年代のユニセックスなトレンドに乗ってメンズとレディースのモデルが作られ、世界中を転戦する国際的なポロ選手たちのエネルギッシュな魅力と享楽的なライフスタイルを象徴しいました。
かつてないほどシームレスで、完全に一体化したケースとブレスレットはすべて18Kゴールド製で、すらりとした流線型でありながら、優雅で官能的なデザインに仕上がっています。全体的に見て、ひとつの金の鋳型から製作されたかのような印象を与えるウォッチです。
ピアジェの真のスタイルに忠実に、職人たちは質感にこだわり、高度なポリッシュ仕上げが施されたゴドロン装飾と、リンクのサテン仕上げとのコントラストを生み出しています。「ピアジェポロ79」は、瞬く間にジェットセット・エリートたちの間でステータス・シンボルとなり、ピアジェソサエティに属する証となりました。また、ピアジェがパームビーチで開催されたポロワールドカップのスポンサーとなったことで、このウォッチのコンセプトの信頼性が強調されました。
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